名前
bootparam - Linux カーネル起動時パラメータの解説
説明
Linux カーネルは起動するときに「コマンドラインオプション」あるいは 「起動時パラメータ」を受け付ける。 これは一般に、 カーネルには決定できないハードウェアのパラメータをカーネルに渡したい場合や、 カーネルが検出するであろう値を意図的に無効にしたり変更したりする場合に用いる。
カーネルが BIOS から直接起動されるとき (たとえば cp zImage /dev/fd0 でフロッピーにコピーしたカーネルから起動するなど) は、 パラメータを指定する機会はない。 ゆえに、この起動時パラメータ機能を利用するためには、 LILO や loadlin のようにパラメータを指定できるソフトウェアを使用しなければならない。 いくつかのパラメータについては、 rdev を使ってカーネルイメージそのものを修正することもできる。 詳細は rdev(8) を参照のこと。
Werner Almesberger による LILO (LInux LOader) プログラムは最も広く使用されている。 LILO はいろいろなカーネルを選択してブートさせることができ、 設定情報をテキストファイルに保持する (lilo(8) と lilo.conf(5) を参照)。 LILO は DOS, OS/2, Linux, FreeBSD などを起動でき、 非常に柔軟である。
ほかには loadLin もよく使われている Linux ローダである。 これは DOS のプログラムで、DOS プロンプトから (起動時引数とともに) Linux カーネルを起動できる (いくつかの特定のリソースが利用可能でなければならない)。 loadlin は DOS から Linux を起動させたい人にあっている。
また loadlin は、DOS のドライバである状態に 設定しなければならないハードウェアを 使っている場合にも非常に便利である。 よくある例は 「SoundBlaster 互換」のサウンドカードで、 これらの中には DOS のドライバを使って いくつか秘密のレジスタをいじってやらないと、 本当の SB 互換モードにはならないようなものがある。 まずハードウェアについてきたドライバを組み込んで DOS を起動し、 その後 loadlin を使用して Linux カーネルを読み込めば、 リブートによってカードの設定がリセットされるのを防げるわけだ。
引数リスト
カーネルのコマンドラインはスペースで区切られた文字列 (起動時引数: boot arguments) のリストから成っている。ほとんどの起動時引数は次の書式に従う。
name[=value_1][,value_2]...[,value_10] | |
カーネルコマンドラインの扱いはほとんど linux/init/main.c が行なっている。 はじめにカーネルは、 root=, nfsroot=, nfsaddrs=, ro, rw, debug, init といった特別な引数があるかをチェックする。 これらの意味については後述する。
カーネルは次に設定関数のリスト (配列 bootsetups に含まれている) をスキャンし、 指定された引数文字列 (例えば foo) が 特定のデバイスやカーネルの一部に対する設定関数 (foo_setup()) に関連付けられているかを調べる。 例えばカーネルに foo=3,4,5,6 のようなパラメータを与えたとすると、 カーネルは配列 bootsetups を調べて、 foo が登録されているか調べる。 登録されていたら、foo に対応する設定関数 (foo_setup()) をコールし、 カーネルコマンドラインに与えられた引数である 3, 4, 5, 6 を設定関数に渡す。
foo=bar という形式の引数のうち、 上記のように設定関数に受け入れられなかったものは、 環境変数と解釈されて設定される。 (あまり役に立たない?) 例としては、TERM=VT100 がある。
カーネルによって処理されず、環境変数としても解釈されなかった 残りの引数は、プロセス 1 に渡されることになる。 通常このプロセス 1 は init プログラムである。 プロセス 1 に渡される引数で最も良く使われるのは、 single というキーワードである。 これを指定すると init はシングルユーザモードでコンピュータを起動し、 通常使われるデーモンは一切起動しない。 システムにインストールされている init が どんな引数を受け付けるかは、 マニュアルページで調べること。
一般的な、デバイス固有ではない起動時引数
`init=...'
カーネルが実行する初期コマンドを設定する。 この指定がなされなかったり、指定したコマンドが見つからなかった場合には、 カーネルは /sbin/init, /etc/init, /bin/init, /bin/sh の順で実行を試み、すべてに失敗したら panic を起こす。
`nfsaddrs=...'
nfs のブートアドレスを指定した文字列に設定する。 このブートアドレスはネットワークブートの場合に用いられる。
`nfsroot=...'
nfs ルートの名前を設定する。 この文字列の先頭が /、,、数字のいずれでもでないときは、 /tftpboot/ が先頭に付加される。 この名前はネットワークブートの場合に用いられる。
`no387'
(カーネルのコンパイル時に CONFIG_BUGi386 が指定されたときのみ有効。) 一部の i387 コプロセッサチップには、 32 ビットプロテクトモードでの使用時に生じるバグがある。 例えば初期の ULSI-387 チップは、 浮動小数点演算を行なうと確実にロックアップしてしまう。 この起動時引数 no387 を指定すると、 Linux はコプロセッサがあってもそれを無視するようになる。 なおもちろん、カーネルコンパイル時に浮動小数点演算をエミュレートする (kernel math emulation) 指定をしなければならない!
`no-hlt'
(カーネルのコンパイル時に CONFIG_BUGi386 が指定されたときのみ有効。) 初期の i486DX-100 チップの一部では hlt 命令に問題があって、 この命令を使うとオペレーティングモードに正しく戻って来ない。 no-hlt を指定すれば、Linux はアイドリング時に CPU を停止 (halt) するかわりに無限ループを実行するようになる。 これによって、そのようなバグのあるチップでも Linux を使用できる。
`root=...'
起動時にルートファイルシステムとして使われるデバイスをカーネルに指定する。 デフォルトはコンパイル時に決定され、 通常はカーネルを構築したシステムのルートデバイスになる。 この値を無効にして、 例えば 2 番目のフロッピーディスクドライブをルートデバイスに指定する場合は、 root=/dev/fd1 とする。 (ルートデバイスは rdev(8) を用いても設定できる。)
ルートデバイスの指定にはシンボル形式と数値形式を用いることができる。 シンボル形式の場合は /dev/XXYN という書式で指定する。 XX にはデバイスタイプを指定する。 Y にはドライブレターもしくはドライブ番号、 N には (フロッピーディスクを除く) ディスクの パーティション番号を 10 進数の数値で指定する。 (ST-506 互換ハードディスクではデバイスタイプが hd で Y の範囲は a から d、 SCSI ディスクは sd で Y は a から e、 Atari ACSI ディスクは ad で Y は a から e、 Syquest EZ135 パラレルポートリムーバブルディスクは ez で Y は a のみ、 XT ディスクは xt で Y は a か b、 フロッピーディスクは fd で Y にはドライブ番号を指定する。 fd0 は DOS の A:、fd1 は B: に対応している。 パーティションは存在しないので N は指定しない。) 最新のカーネルでは、他にも次のような多くのデバイスタイプを指定できる (ほとんどは CD-ROM だが): nfs, ram, scd, mcd, cdu535, aztcd, cm206cd, gscd, sbpcd, sonycd, bpcd。 (nfs はネットワークブートに、ram は RAM ディスクを使用する場合に用いる。)
なお、これらはファイルシステム上でのデバイスの指定方法とは全く関係ない。 /dev/ を用いるのは単に慣習に過ぎない。
扱いにくいし移植性も良くないが、 上記のデバイスを major/minor 番号の数値で指定してもよい。 (例えば /dev/sda3 は major 番号 8、minor 番号 3 なので、 root=0x803 と記述できる。)
`ro' と `rw'
ro オプションは、ルートファイルシステムを 「読み出し専用」でマウントするようカーネルに指示し、 fsck プログラムがファイルシステムの矛盾を検査できるようにする。 ファイルシステムが「読み書き可能」として再マウントされる (つまり mount -w -n -o remount /) までの間は、 いかなるプロセスもこのファイルシステム上のファイルに書き込むことはできない。 (mount(8) も参照せよ。)
rw オプションはルートファイルシステムを 「読み書き可能」でマウントするようカーネルに指示する。 こちらがデフォルトである。
省略時の指定を「読み出し専用」と 「読み書き可能」とのどちらにするかは、 rdev(8) によっても設定できる。
`reserve=...'
デバイスの自動検出から I/O ポートを保護するために用いる。 コマンドの形式は以下の通り。
reserve=iobase,extent[,iobase,extent]... | |
機種によっては、
デバイスドライバによるデバイスの自動検出を、
特定の範囲に対しては禁止しなければならないことがある。
ハードウェアが検出動作によって深刻な問題を引き起こす場合や、
誤認識される可能性がある場合、
また単にカーネルにハードウェアを初期化させたくない場合などがありうるだろう。
この起動時引数 reserve は、自動検出の対象外とする I/O ポートの範囲を指定する。 デバイスドライバは、 他の起動時引数によって明示的に指定されない限り、 予約された範囲に対して自動検出動作を行わない。 例えばブート時のコマンドラインに | |
reserve=0x300,32 blah=0x300 | |
`mem=...'
搭載されているメモリの量を返す BIOS コールは PC の仕様で定義されているが、これは最大 64MB までしか返すことができない。 Linux は搭載メモリの量を調べるために、 起動時にこの BIOS コールを使用する。 もし 64MB 以上の RAM を搭載している場合は、 この起動時引数を用いて 実際のメモリ容量を Linux に知らせることができる。 値は 10 進数または 16 進数 (先頭に 0x を付加) の数値で指定し、 1024 倍を表す k または 1048576 倍を表す M を末尾に付加できる。 以下は Linus による mem= パラメータの解説である。
「カーネルは mem=xx パラメータとして どんな値を指定してもそれをそのまま受け入れる。 だからそれが嘘だとわかったら、 遅かれ早かれひどいクラッシュをするだろう。 パラメータはアクセスしうる最も高位の RAM アドレスを指示する。 だから例えば mem=0x1000000 っていうのは 16MB のメモリがある、という意味になる。 96MB のマシンなら mem=0x6000000 だ。
注意 注意 注意: マシンによってはメモリの最上位の領域を BIOS のキャッシュやら何やらの ために使っていることがあるから、 実際には 96MB をフルにアドレスすることはできないかもしれない。 逆の場合もある。 いくつかのチップセットでは、 BIOS 領域に入っている物理メモリを最上位のメモリのさらに上にマップする。 よって最上位のメモリはたとえば 96MB + 384kB なんて値になるかもしれない。 linux に実際より多いメモリを教えてしまったとしたら、 まずいことが起きるだろう。 すぐにではないかもしれないけど、ゆくゆくは確実にね。」
また、起動時引数に mem=nopentium を指定すると、 pentium とそれ以降の CPU を使った IA32 システム用に設定されたカーネルで 4MB のページテーブルを無効にすることができる。
`panic=N'
デフォルトでは、カーネルはパニックの後リブートしない。 このオプションを用いて N > 0 とすれば、 N 秒後にリブートするようになる。 この値は、起動後に "echo N > /proc/sys/kernel/panic" として設定することもできる。
`reboot=[warm|cold][,[bios|hard]]'
(カーネルコンパイル時に CONFIG_BUGi386 が指定されたときのみ有効。) カーネルバージョン 2.0.22 から、 リブートのデフォルトはコールドブートになった。 以前のデフォルトであるウォームブートをするには reboot=warm と指定しなければならない。 (ある種のハードウェアをリセットするにはコールドブートが必要になるが、 ディスクキャッシュにある書き込んでいないデータは破壊される。 ウォームブートでは、より素早くリブートできる。) デフォルトではリブートは hard で行われる。 すなわちリセットラインに low を出力するようキーボードコントローラに要求して、 リブートを行う。 しかし一部のマザーボードではこれができない。 reboot=bios オプションを指定すると、 代わりに BIOS を経由するようになる。
`nosmp' と `maxcpus=N'
(カーネルのコンパイル時に __SMP__ が指定されたときのみ有効。) コマンドラインオプションに nosmp または maxcpus=0 を指定すると、 SMP (Symmetric Multi Processing) を完全に無効にする。 maxcpus=N オプションは、 SMP モードで有効にする CPU の最大数を N に制限する。
カーネル開発者用の起動時引数
`debug'
カーネルが出力するメッセージはカーネルログデーモン klogd に渡され、 ディスクに記録できるようになる。 プライオリティが console_loglevel のメッセージはコンソールにも表示される。 (これらのレベルについては、<linux/kernel.h> を参照。) デフォルトではこの変数は、 デバッグメッセージよりも重要なあらゆるメッセージを記録するよう設定されている (デバッグメッセージは含まない)。 この起動時引数を指定すると、 カーネルはプライオリティが DEBUG のメッセージも出力するようになる。 console_loglevel も klogd にオプションを渡せば実行時に設定できる。 klogd(8) を見よ。
`profile=N'
カーネルがどこで CPU サイクルを消費しているか調べたい場合には、 カーネルのプロファイリング機能を有効にすればこれを実現できる。 カーネルプロファイリングは、変数 prof_shift を 0 以外の値にセットすると有効になる。 この値はコンパイル時に CONFIG_PROFILE で指定するか、 この prifile=N オプションで指定できる。 prof_shift の値は N が指定されれば N となり、N が指定されなかった場合は CONFIG_PROFILE_SHIFT の値が用いられる。 どちらも指定されなければデフォルト値の 2 が用いられる。 この変数が重要なのは、 カーネルプロファイリングの粒度を決定するところにある。 すなわち、各クロックの割込みごとに、システムがカーネルコードを実行していれば、 以下のようにカウンタの値がインクリメントされる。
profile[address >> prof_shift]++; | |
`swap=N1,N2,N3,N4,N5,N6,N7,N8'
カーネルのスワップアルゴリズムをコントロールする 次の 8 つのパラメータをセットする。 max_page_age, page_advance, page_decline, page_initial_age, age_cluster_fract, age_cluster_min, pageout_weight, bufferout_weight. これはカーネルをチューンする人のためのオプションである。
`buff=N1,N2,N3,N4,N5,N6'
カーネルのバッファメモリ管理をコントロールする 次の 6 つのパラメータをセットする。 max_buff_age, buff_advance, buff_decline, buff_initial_age, bufferout_weight, buffermem_grace. これはカーネルをチューンする人のためのオプションである。
RAM ディスク関連の起動時引数
(カーネルのコンパイル時に CONFIG_BLK_DEV_RAM オプションが 指定されたときのみ有効。) 一般的には、Linux で RAM ディスクを使用するのはあまり良い考えではない。 システムに任せておけばもっと効率的にメモリを使用する。 しかしブート時 (またはブートフロッピーの作成中) には、 フロッピーの内容を RAM ディスクにロードすると便利かもしれない。 メインディスクがアクセス可能になる前に、 (ファイルシステムやハードウェアに関する) モジュールをいくつかロードしなければならないシステムもあるだろう。
Linux のバージョン 1.3.48 において、 RAM ディスクの取り扱いが根底から変化した。 それ以前までは、メモリは静的に割り当てられ、 ramdisk=N パラメータでそのサイズを指定していた。 (この値はカーネルのコンパイル時や rdev(8) によっても変更できた。) 現在は RAM ディスクはバッファキャッシュを使用しており、 動的に成長する。 さらに多くの情報 (たとえば rdev(8) が新しい RAM ディスクの設定とどのように関係するか) については、 /usr/src/linux/Documentation/ramdisk.txt を参照。
4 つのパラメータがある。論理値をとるものが 2 つ、整数値をとるものが 2 つ。
`load_ramdisk=N'
N=1 なら RAM ディスクをロードする。N=0 ならロードしない (デフォルト)。
`prompt_ramdisk=N'
N=1 ならフロッピー挿入を促すプロンプトを出す (デフォルト)。 N=0 ならプロンプトを出さない。 (従って、このパラメータを指定する必要はまず無いであろう。)
ramdisk_size=N もしくは (古い形式の) ramdisk=N
ラムディスクの最大サイズを N kB (キロバイト) にセットする。 省略時は 4096 (4 MB)。
`ramdisk_start=N'
開始ブロック番号 (フロッピー先頭からのオフセットで指定した RAM ディスクの開始点) を N にセットする。 これはカーネルイメージのあとに RAM ディスクイメージを置く場合に必要となる。
`noinitrd'
(カーネルのコンパイル時に CONFIG_BLK_DEV_RAM と CONFIG_BLK_DEV_INITRD が指定されているときのみ有効。) 最近は initrd を使用するようにカーネルをコンパイルできる。 このオプションが指定されると、 ブートプロセスはカーネルと RAM ディスクをロードし、 カーネルは initrd を「普通の」 RAM ディスクに変換し、 この RAM ディスクがルートデバイスとして「読み書き可能」でマウントされる。 次に /linuxrc が実行される。 その後「真の」ルートファイルシステムがマウントされ、 initrd ファイルシステムは /initrd に移される。 最後に通常のブートシーケンス (具体的には /sbin/init の呼び出し) が実行される。
initrd に関する詳細な解説は /usr/src/linux/Documentation/initrd.txt を参照。
noinitrd オプションを用いると、 カーネルは (initrd 動作を行うようにコンパイルされている場合でも) 上記の動作を行なわず、代わりに initrd のデータを /dev/initrd に残す。 (このデバイスは一度しか使えない。 データは、そのデータを使った最後のプロセスが /dev/initrd をクローズするとすぐに解放される。)
SCSI デバイス用の起動時引数
この節における用語:
iobase -- SCSI ホストアダプタが占有する I/O ポートの先頭アドレス。 16 進表記で指定し、通常 0x200 から 0x3ff の範囲に位置する。
irq -- カードが利用するハードウェア割り込み。有効な値はカードに よって異なるが、通常は 5, 7, 9, 10, 11, 12, 15 である。 これ以外の値は通常、IDE ハードディスク、フロッピー、 シリアルポートといった一般的な周辺機器によって使用される。
scsi-id -- SCSI バス上のホストアダプタが自分自身を識別するために使用する ID 番号。 この値を変更できるホストアダプタもごく希に存在するが、 ほとんどはアダプタ内部で固定されている。 よく使われるデフォルト値は 7 であるが、Seagate もしくは Future Domain 製の TMC-950 ボードでは 6 が使われる。
parity -- SCSI ホストアダプタが取り付けられたデバイスとの通信に際して パリティ値を必要とするかどうか。 1 を指定するとパリティチェックが有効になり、 0 でパリティチェックが無効になる。 しかし、すべてのデバイスがこの起動時引数によるパリティの選択を サポートするわけではない。
`max_scsi_luns=...'
SCSI デバイスは複数の「サブデバイス」を自分自身の内部に持つことができる。 最もよくある例として、一時に 1 枚以上のディスクを扱うことができる (チェンジャー機能付の) SCSI CD-ROM がある。 それぞれの CD はそのデバイスの 「論理ユニット番号 (LUN)」によって特定される。 しかしほとんどのデバイス (例えばハードディスクやテープドライブ) は、 LUN 番号 0 が割り当てられた、ただひとつのデバイスからなる。
設計が不十分な SCSI デバイスでは 0 以外の LUN 番号への自動検出を 扱えないことがある。 したがって、コンパイル時に CONFIG_SCSI_MULTI_LUN オプションが指定されていないと、 最近のカーネルではデフォルトでは LUN 番号 0 のみを検出する。
起動時に調べる LUN 番号を指定する場合、起動時引数として max_scsi_luns=n を指定する。n は 1 から 8 の間で指定する。 n=1 以上の値を使用しないようにすれば、 このようないかれた機械にひどい目にあわされずにすむだろう。
SCSI テープドライブの設定
st=buf_size[,write_threshold[,max_bufs]] | |
最初の 2 つの数字は kB 単位で指定する。 buf_size のデフォルトは 32kB である。上限は 16384kB まで指定できる。 write_threshold はデータ書き出しの閾値で、 バッファのデータのサイズがこの値を越えるとデータはテープに書き出される。 デフォルト値は 30kB である。 バッファ数の最大値 (max_bufs) は検出されたドライブの数によって変化するが、デフォルトは 2 である。 使用例を以下に示す。 | |
st=32,30,2 | |
Adaptec aha151x, aha152x, aic6260, aic6360, SB16-SCSI の設定
aha に続く番号はカードを表し、 aic に続く番号はカードに搭載されている実際のチップを表す (Soundblaster-16 SCSI も後者に含まれる)。
SCSI ホストの検出コードは、 インストールされている BIOS を探す。 見つからないと、カードは検出できない。 この場合は以下のように起動時引数を指定することになる。
aha152x=iobase[,irq[,scsi-id[,reconnect[,parity]]]] | |
もしドライバのコンパイル時にデバッグオプションを指定していた場合は、
6 番目の値でデバッグレベルを指定できる。
すべてのパラメータは、このセクションの最初で説明した通りである。 reconnect に 0 以外の値を指定すると、デバイスを切断したり接続したりできる。 以下に例を示す。 | |
aha152x=0x340,11,7,1 | |
Adaptec aha154x の設定
aha1542 シリーズのカードは i82077 フロッピーディスクコントローラをボードに搭載している。 一方 aha1540 シリーズのカードは搭載していない。 これらは共にバスマスタカードであり、 他のデバイスとバスを共有する際に、 どのくらい「フェアに」振る舞うかを指定するパラメータがある。 起動時引数は以下のようにして指定する。
aha1542=iobase[,buson,busoff[,dmaspeed]] | |
buson, busoff 値はカードがISA バスを占有する時間をマイクロ秒単位で指定する。 省略時はそれぞれ 11us on と 4us off になっているので、 他のカード (例えば ISA LANCE イーサネットカード) も ISA バスにアクセスできる。
dmaspeed 値は DMA (Direct Memory Access) 転送速度を MB/s 単位で設定する。 省略時は 5MB/s である。新しいリビジョンのカードでは、 この値を使ったソフトウェアによる設定ができる。 古いカードはジャンパ設定を必要とする。 マザーボードが対応していれば最大 10MB/s まで指定可能である。 5MB/s 以上の値を使う場合は注意して実験してからにすること。
Adaptec aha274x, aha284x, aic7xxx の設定
これらのボードは以下の形式で指定する。
aic7xxx=extended,no_reset | |
AdvanSys SCSI ホストアダプタの設定 (advansys=)
AdvanSys ドライバはカードの検出先として 4 つの I/O アドレスを受け付ける。 EISA や PCI カードではこれらを指定しても全く効果が無い。 ISA 及び VLB カードの検出に対してのみ用いられる。 さらに、デバッグオプション付きでドライバがコンパイルされている場合、 デバッグ情報の出力レベルとして 0xdeb[0-f] パラメータを追加できる。 0-f によりデバッグメッセージの情報のレベルを 16 段階で指定する。
AM53C974
AM53C974=host-scsi-id,target-scsi-id,max-rate,max-offset | |
BusLogic SCSI ホストアダプタの設定 (`BusLogic=')
BusLogic=N1,N2,N3,N4,N5,S1,S2,... | |
パラメータ N1 から N5 までは整数である。 パラメータ S1 以降は文字列である。 N1 はホストアダプタが存在する I/O アドレス。 N2 はタグキューイングをサポートするデバイスに対して使用するキューの深さ。 N3 はバス安定時間 (BST) を秒単位で指定する。 これはホストアダプタのハードリセットにより SCSI バスをリセットしてから SCSI コマンドの発行を開始するまでの待ち時間である。 N4 はローカルオプション (ひとつのホストアダプタ用)。 N5 はグローバルオプション (すべてのホストアダプタ用)。
文字列オプションは以下の動作を制御する: タグキューイング (TQ:Default, TQ:Enable, TQ:Disable, TQ:<Per-Target-Spec>)、 エラー復帰 (ER:Default, ER:HardReset, ER:BusDeviceReset, ER:None, ER:<Per-Target-Spec>)、 ホストアダプタの検出 (NoProbe, NoProbeISA, NoSortPCI)。
EATA/DMA の設定
検出対象にする I/O ポートのリストを以下のようにして変更できる。
eata=iobase,iobase,.... | |
Future Domain TMC-16x0 の設定
fdomain=iobase,irq[,adapter_id] | |
Great Valley Products (GVP) SCSI コントローラの設定
gvp11=dma_transfer_bitmask | |
Future Domain 製 TMC-8xx, TMC-950 の設定
tmc8xx=mem_base,irq | |
IN2000 の設定
in2000=S | |
NCR5380 および NCR53C400 の設定
この起動時引数は以下の書式で指定する。
ncr5380=iobase,irq,dma | |
または | |
ncr53c400=iobase,irq | |
NCR53C8xx の設定
ncr53c8xx=S | |
NCR53c406a の設定
ncr53c406a=iobase[,irq[,fastpio]] | |
Pro Audio Spectrum の設定
PAS16 は NC5380 SCSI チップを使用しており、 最近のモデルはジャンパレスの設定をサポートしている。 起動時引数の書式は以下の通り。
pas16=iobase,irq | |
Seagate 製 ST-0x の設定
カードが起動時に認識されない場合は以下のような指定が必要になるだろう。
st0x=mem_base,irq | |
Trantor 製 T128 の設定
このカードも NCR5380 チップを利用しており、 以下のオプションを受け付ける。
t128=mem_base,irq | |
UltraStor 製 14F/34F の設定
自動検出を試みる I/O ポートのリストは以下のようにして変更できる。
eata=iobase,iobase,.... | |
WD7000 の設定
wd7000=irq,dma,iobase | |
Commodore Amiga 製 A2091/590 SCSI コントローラの設定
wd33c93=S | |
ハードディスク
IDE Disk/CD-ROM ドライバのパラメータ
IDE ドライバは、 ディスクのジオメトリ指定からバグのあるコントローラチップのサポートまで、 数多くのパラメータを受け付ける。 ドライブを特定するには hdX= を使う。 ここで X には a から h の文字を指定する。
あるドライブに特有なものではないオプションは、hd= を前に付けて指定する。 ドライブ特有でないオプションに対してドライブ指定 (hdX=) を前置しても問題はない。 そのオプションは期待通りそのドライブに適用される。
hd= は、(a, ..., h) のシーケンスにおいて、 まだ指定されていない次のドライブを指すためにも使える。 これ以降では簡単のために hd= を使って説明する。 さらに詳しい情報を得るには linux/drivers/block ディレクトリにある README.ide ファイルを見ること。
hd=cyls,heads,sects[,wpcom[,irq]] オプション
これらのオプションはディスクの物理的なジオメトリを指定するために使う。 最初の 3 つの値以降は省略できる。 シリンダ (cyls)、ヘッド (heads)、セクタ (sects) の各値は fdisk で用いられるものと同じである。 書き込み補正 (wpcom) 値は IDE ディスクでは無視される。 IRQ 値には、そのドライブが接続されているインターフェースが用いる IRQ を指定する (本来の意味では「ドライブに特有」のパラメータではない)。
hd=serialize オプション
デュアル IDE インターフェースである CMD-640 チップには設計上の問題があって、 セカンダリインターフェース上のドライブと プライマリインターフェース上のドライブを 同時に使用するとデータが破壊されることがある。 このオプションを使用すると、 ドライバは両方のインターフェースが 同時に使用されることが絶対にないようにする。
hd=dtc2278 オプション
このオプションは、DTC-2278D IDE インターフェースが使われている ことをドライバに伝える。 するとドライバは、DTC 特有の機能 (2 番目のインターフェースと高速転送モード) を使用可能にするよう試みる。
hd=noprobe オプション
このドライブの自動検出をしない。 例えば
hdb=noprobe hdb=1166,7,17 | |
`hd=nowerr' オプション
ドライブによっては、書き込みエラー (WRERR_STAT) ビットがクリアできなくなることがある。 このオプションを指定すると、 このような壊れたデバイスに対する回避機能が有効になる。
`hd=cdrom' オプション
このオプションは、通常の IDE ハードディスクの代わりに、 ATAPI 互換の CDROM が続されていることを IDE ドライバに伝える。 CD-ROM はたいてい自動的に認識されるが、 うまく行かない場合に試してみると良い。
スタンダード ST-506 ディスクドライバのオプション (hd=)
スタンダードディスクドライバは IDE ドライバと同様のジオメトリ指定を引数にとることができる。 ただし受け付ける値はちょうど 3 つ (C/H/S) に限られる。 それ以上の値やそれ以下の値を指定すると、ドライバは黙ってその指定を無視する。 また引数として受け入れられるのは hd= の形式だけである。 つまり hda= のような指定はここでは正しくない。 書式は次の通り。
hd=cyls,heads,sects | |
XT ディスクドライバのオプション (xd=)
これらの古い 8 bit カード (125kB/s の転送速度しかない!) を使わなければならない不幸な人のためのオプションである。 カードが認識されない場合は以下の書式で起動時引数を指定する必要があるだろう。
xd=type,irq,iobase,dma_chan | |
type 値にはカードのメーカーを指定し、これは自動検知より優先される。
指定すべき type の値については、使っているカーネルのソースファイル
drivers/block/xd.c を調べてほしい。type はリスト
xd_sigs のインデックスで、歴史と共に追加されたり削除されたりしてきた。
リストの途中での追加・削除も行われたので、
その場合はすべての type 番号が変更された。
今日 (Linux 2.5.0) における type は、
0=generic; 1=DTC 5150cx; 2,3=DTC 5150x; 4,5=Western Digital;
6,7,8=Seagate; 9=Omti; 10=XEBEC である。
ここではいくつかの type に同じ指定が与えられているが、
それらは等価である。
0=ノーブランド、1=DTC、2,3,4=Western Digital、5,6,7=Seagate、8=OMTI 同じメーカーに複数の値があるのは検出に使用される BIOS 文字列の違いである。 BIOS 文字列は type が指定された場合には使用されない。 xd_setup() 関数は引数をチェックせず、 4 つの値がすべて指定されることを想定している。 引数を省略してはならない。 例として、BIOS が無効にされた (あるいは削除された) WD1002 コントローラの場合を示す (パラメータには XT コントローラのデフォルトの値を使っている)。 | |
xd=2,5,0x320,3 | |
Syquest 製 EZ* リムーバブルディスク
ez=iobase[,irq[,rep[,nybble]]] | |
IBM MCA バス上のデバイス
/usr/src/linux/Documentation/mca.txt も参照せよ。
PS/2 ESDI ハードディスク
望むジオメトリを起動時に指定できる。
ed=cyls,heads,sectors. | |
ThinkPad-720 を使用する場合は以下のオプションを追加すること。 | |
tp720=1 | |
IBM Microchannel SCSI サブシステムの設定
ibmmcascsi=N | |
CD-ROM (SCSI/ATAPI/IDE のいずれでもないもの)
Aztech インターフェース
このタイプのカードの構文は以下の通り。
aztcd=iobase[,magic_number] | |
パラレルポート CD-ROM ドライブ
書式:
pcd.driveN=port,pro,uni,mod,slv,dly pcd.nice=nice | |
Sony 製 CDU-31A と CDU-33A のインターフェース
この CD-ROM インターフェースは、 Pro Audio Spectrum サウンドカードの一部や ソニーが供給するインターフェースカードで使われている。 構文は以下の通り。
cdu31a=iobase,[irq[,is_pas_card]] | |
is_pas_card には、Pro Audio Spectrum カードを使用しているときには PAS を指定し、 そうでないときにはなにも指定しない。
Sony 製 CDU-535 インターフェース
この CD-ROM インターフェースの構文は以下の通り。
sonycd535=iobase[,irq] | |
GoldStar インターフェース
この CD-ROM インターフェースの構文は以下の通り。
gscd=iobase | |
ISP16 CD-ROM インターフェース
書式:
isp16=[iobase[,irq[,dma[,type]]]] | |
Mitsumi 標準インターフェース
このCD-ROM インターフェースの構文は以下の通り。
mcd=iobase,[irq[,wait_value]] | |
Mitsumi XA/マルチセッションインターフェース
これは上記と同じハードウェアだが、拡張機能がある。 構文は以下の通り。
mcdx=iobase[,irq] | |
Optics ストレージインターフェース
このカードの構文は以下の通り。
optcd=iobase | |
Phillips CM206 インターフェース
このカードの構文は以下の通り。
cm206=[iobase][,irq] | |
Sanyo インターフェース
このカードの構文は以下の通り。
sjcd=iobase[,irq[,dma_channel]] | |
SoundBlaster Pro インターフェース
このカードの構文は以下の通り。
sbpcd=iobase,type | |
イーサネットデバイス
ドライバが異なると用いるパラメータも異なるが、 すべてのドライバは、少なくとも割り込み番号 (irq)、 I/O ポートのベースアドレス (iobase)、名前 (name) を持つ。 最も一般的な形式は以下の通り。
ether=irq,iobase[,param_1[,...param_8]],name | |
最初の数字でない値は名前として使用される。
param_n の値はカード (ドライバ) ごとに異なる意味を持つ。
よくある目的は、共有メモリアドレスの指定、インターフェースの選択、
DMA チャネルなどである。
このパラメータの最もよくある利用法は、 2 番目の Ethernet カードを強制的に検出させる場合である (デフォルトでは 1 枚しか検出しない)。 これは簡単で、次のようにすればよい。 | |
ether=0,0,eth1 | |
Ethernet-HOWTO では、複数のカードを使うやり方や、 カードやドライバに特有の param_n 値の意味について、 ずっと詳細に解説されている。 興味を持った読者は、この文書にあたり、 自分のカードに関して書かれているセクションを参照すると良い。
フロッピーディスクドライバ
フロッピードライバのオプションは多数あり、linux/drivers/block ディレクトリの README.fd ファイルにすべて記されている。 以下の情報はこのファイルからとったものである。
floppy=mask,allowed_drive_mask
使ってよいドライブにかけるビットマスクを設定する。 デフォルトでは、 ユニット 0 と 1 のフロッピーコントローラだけが許可されている。 これは、標準でないハードウェア (例えば ASUS の PCIマザーボードなど) でユニット 2 や 3 にアクセスすると、 キーボードがおかしくなってしまうからである。 cmos オプション (後述) の導入によって、 このオプションはあまり使われなくなった。
floppy=all_drives
許可するドライブを示すビットマスクを、「すべてのドライブ」にする。 1 つのフロッピーコントローラに 2 台以上のドライブを接続する場合に用いる。
floppy=asus_pci
ユニット 0 と 1 のみを許可するようビットマスクを設定する。 (デフォルト)。
floppy=daring
正しく振る舞うフロッピーコントローラを使っていることをドライバに伝える。 このオプションを使うと動作はより効率的かつスムースになるが、 コントローラによっては動作に失敗することがある。 これを指定するとある種の動作が高速になる。
floppy=0,daring
注意して扱わなければならない フロッピーコントローラであることをドライバに伝える。
floppy=one_fdc
フロッピーコントローラがひとつしかないことをドライバに伝える (デフォルト)。
floppy=two_fdc or floppy=address,two_fdc
フロッピーコントローラがふたつあることをドライバに伝える。 2 番目のコントローラの I/O アドレスは address で指定する。 address が指定されない場合は 0x370 が使われる。
floppy=thinkpad
Thinkpad を使っていることをフロッピードライバに伝える。 Thinkpad はディスク取出の検出信号を反転して使っている。
floppy=0,thinkpad
Thinkpad を使っていないことをドライバに伝える。
floppy=drive,type,cmos
ドライブの cmos タイプを type に設定する。 さらにビットマスクを変更し、このドライブの使用を許可する。 この指定が便利なのは、フロッピードライブが 2 台以上ある場合 (物理 cmos に記述できるのは 2 台まで) や、 BIOS が標準的でない CMOS タイプを使っている場合である。 最初の 2 台のドライブの CMOS に 0 を指定する (デフォルト) と、 フロッピードライバはこれらのドライブの物理 cmos を参照する。
floppy=unexpected_interrupts
予期しない割り込みを受けた時に警告メッセージを表示する (デフォルト)。
floppy=no_unexpected_interrupts もしくは floppy=L40SX
予期しない割り込みを受けた時でも警告メッセージを表示しない。 これは IBM L40SX ラップトップコンピュータを 特定のビデオモードで使用する時に必要となる。 (ビデオとフロッピーとの間で何らかの相互作用があるようだ。 予期しない割り込みは性能だけに影響し、無視しても安全である。)
サウンドドライバ
サウンドドライバも起動時引数を受け付け、 コンパイル時に指定された値を変更できる。 これはやや面倒なため、あまりお薦めできない。 linux/drivers/sound ディレクトリの Readme.Linux ファイルに詳細が記述されている。 引数の形式は以下の通り。
sound=device1[,device2[,device3...[,device10]]] | |
T - デバイスのタイプ: 1=FM, 2=SB, 3=PAS, 4=GUS, 5=MPU401, 6=SB16, 7=SB16-MPU401
aaa - I/O ポートアドレス (16進値)
I - 割り込み番号 (16 進値。例: 10=a, 11=b, ...)
d - DMA チャネル
上記の通り、かなり扱いにくい形式となっており、 コンパイル時に自分にあった値を指定する方が良いだろう。 なお起動時引数として sound=0 を指定すると、 サウンドドライバを完全に無効にする。
ISDN ドライバ
ICN ISDN ドライバ
構文は以下の通り。
icn=iobase,membase,icn_id1,icn_id2 | |
PCBIT ISDN ドライバ
構文は以下の通り。
pcbit=membase1,irq1[,membase2,irq2] | |
Teles ISDN ドライバ
構文は以下の通り。
teles=iobase,irq,membase,protocol,teles_id | |
シリアルポートドライバ
RISCom/8 マルチポートシリアルドライバ (`riscom8=')
構文は以下の通り。
riscom=iobase1[,iobase2[,iobase3[,iobase4]]] | |
DigiBoard ドライバ (digi=)
このオプションを使う場合は、 6 つちょうどのパラメータを与えなければならない。 構文は以下の通り。
digi=status,type,altpin,numports,iobase,membase | |
パラメータは整数値か文字列で与える。 文字列で指定する場合は、 iobase と membase は 16 進値でなければならない。 整数値で指定する場合はパラメータの個数は少なくても良く、順に: status このカードの動作を指定する (Enable(1) または Disable(0)), type カードのタイプ (PC/Xi(0), PC/Xe(1), PC/Xeve(2), PC/Xem(3)), altpin ピン配置を反転させる (Enable(1) or Disable(0)), numports カードのポート番号, iobase このカードの I/O ポート (文字列指定の場合は 16 進表記), membase メモリウィンドウのベースアドレス (文字列指定の場合は 16 進表記)。 したがって以下のふたつの起動時引数は同じ意味を持つ。 | |
digi=E,PC/Xi,D,16,200,D0000 digi=1,0,0,16,0x200,851968 | |
Baycom シリアル・パラレル ラジオモデム
構文は以下の通り。
baycom=iobase,irq,modem | |
サウンドカードラジオモデムドライバ
構文は以下の通り。
soundmodem=iobase,irq,dma[,dma2[,serio[,pario]]],0,mode | |
ラインプリンタドライバ
`lp='
書式:
lp=0 lp=auto lp=reset lp=port[,port...] | |
引数の書式は、複数のポート名である。 例えば lp=none,parport0 とすると、 最初のパラレルポートを lp1 として使い、 lp0 は無効にする。プリンタードライバを完全に無効にするには lp=0 とすればよい。
WDT500/501 ドライバ
構文は以下の通り。
wdt=io,irq | |
マウスドライバ
`bmouse=irq'
バスマウスドライバはパラメータをひとつだけとり、 ハードウェア IRQ を指定できる。
`msmouse=irq'
msmouse ドライバでもこの事情はまったく同じである。
ATARI マウスの設定
atamouse=threshold[,y-threshold]
パラメータがひとつだけ与えられた場合には、 x-threshold と y-threshold を両方に用いられる。 ふたつ与えられた場合は、最初の値が x-threshold として用いられ、 2 番目の値が y-threshold として用いられる。 値は 1 から 20 までの数値で指定する。 デフォルトは 2。 | |
ビデオ機器
`no-scroll'
このオプションは、コンソールドライバに、 ハードウェアスクロールを用いないよう伝える (ここで言うハードウェアスクロールとは、 ビデオメモリ上のデータを移動させることによって スクリーン表示領域をスクロールさせることを指す)。 特定の点字マシンではこの指定が必要となる。
関連項目
lilo.conf(5), klogd(8), lilo(8), mount(8), rdev(8)
このマニュアルページの大部分は Paul Gortmaker による Boot Parameter HOWTO (version 1.0.1) を基にしている。 この (あるいは最新の) HOWTO をあたれば、 さらに多くの情報が入手できるだろう。 最新の情報源は /usr/src/linux/Documentation/kernel-parameters.txt である。
(訳注) Boot Parameter HOWTO は現在 BootPrompt-HOWTO として メンテナンスされています。堀江誠一さんによる日本語版は、 http://www.linux.or.jp/JF/JFdocs/BootPrompt-HOWTO.html にあります。英語版オリジナルは、 http://linuxdoc.org/HOWTO/BootPrompt-HOWTO.html にあります。 が、いずれも May 1999 までのものなのでやや古いです。