名前
unlink - 名前を削除し、場合によってはそれが参照しているファイルも削除する
書式
#include <unistd.h>
int unlink(const char *pathname);
説明
unlink() はファイル・システム (filesystem) 上の名前を削除する。 もしその名前がファイルへの最後のリンク (link) であり、 どのプロセスもそのファイルをオープン (open) していなければ、 ファイルは削除される。 ファイルが使用していたディスク上の領域は再利用が可能になる。
もし削除する名前がファイルへの最後のリンクだが、どれかのプロセスが そのファイルをまだオープンしている場合は、 そのファイルを参照している最後のファイル・ディスクリプター (file descriptor) がクローズ (close) されるまでファイルは存在し続ける。
もしその名前がシンボリック・リンク (symbolic link) を参照していれば、 リンクは削除される。
もし名前がソケット (socket) や fifo やデバイス (device) を参照していれば 名前は削除されるがそのオブジェクトをオープンしていたプロセスは それを使い続けることができる。
返り値
成功した場合は 0 を返す。エラーならば -1 を返し、 errno が適切に設定される。
エラー
EACCES | pathname を含んでいるディレクトリの書き込み許可がプロセスの実効 (effective) ユーザー ID に与えられていないか、 pathname の中のディレクトリのどれかに検索許可が与えられていない (path_resolution(7) も参照すること)。 |
EBUSY (Linux 以外) | |
ファイル pathname がシステムまたは他のプロセスによって使用されていて リンクが削除できなかったので、この実装ではエラーとした。 | |
EFAULT | pathname がアクセス可能なアドレス空間の外を指している。 |
EIO | I/O エラーが発生した。 |
EISDIR | pathname がディレクトリを参照している。 (これは POSIX で規定されていない値で、Linux 2.1.132 以降で返される。) |
ELOOP | pathname を解決する際に遭遇したシンボリック・リンクが多過ぎる。 |
ENAMETOOLONG | |
pathname が長過ぎる。 | |
ENOENT | pathname に対応するものが存在しないか、壊れたシンボリック・リンクであるか、 pathname が空である。 |
ENOMEM | 十分なカーネル (kernel) のメモリーが使用できない。 |
ENOTDIR | |
pathname のディレクトリ部分が、実際には、ディレクトリでない。 | |
EPERM | システムがディレクトリに対する unlink 操作を許可していない。 またはディレクトリに対する unlink 操作のために必要な特権を カレントプロセスが持っていない。 (これは POSIX で規定されているエラーの返し方である。 上述の通り、この場合には Linux は EISDIR を返す。) |
EPERM (Linux のみ) | |
ファイルシステムがファイルに対する unlink 操作を許していない。 | |
EPERM または EACCES | |
pathname を含んでいるディレクトリにスティッキー・ビット (sticky-bit) (S_ISVTX) が設定されていて、プロセスの実効ユーザー ID が削除しようとするファイルの UID でもそれを含んでいるディレクトリのものでもなく、 かつプロセスに特権がない (Linux では CAP_FOWNER ケーパビリティ (capability) がない)。 | |
EROFS | pathname が読み込み専用のファイル・システムのファイルを参照している。 |
準拠
SVr4, 4.3BSD, POSIX.1-2001.
バグ
NFS プロトコル (protocol) の潜在的な不良により、 まだ使用中のファイルの突然の消滅を引き起こすことがある。
関連項目
rm(1), chmod(2), link(2), mknod(2), open(2), rename(2), rmdir(2), unlinkat(2), mkfifo(3), remove(3), path_resolution(7)