名称
groff - groff ドキュメントフォーマットシステムのフロントエンド
書式
groff [ -abeghilpstvzCEGNRSUVXZ ] [ -w ] [ -W ] [ -m ] [ -F ] [ -I ] [ -T ] [ -f ] [ -M ] [ -d ] [ -r ] [ -n ] [ -o ] [ -P ] [ -L ] [ files... ]
コマンドラインオプションとパラメータの間に空白を含めることが可能です。
解説
groff は、groff ドキュメントフォーマットシステムのフロントエンドプログラムです。通常 groff は troff を実行し、その出力を指定されたデバイスで扱うための 後処理プログラムを実行します。利用可能なデバイスは以下のとおりです:
ps | PostScript プリンタやプレビュア。 |
dvi | TeX の dvi フォーマット。 |
X75 | 75dpi の X11 プレビュア。 |
X100 | 100dpi の X11 プレビュア。 |
ascii | タイプライタに似た特性を持つデバイス。 |
latin1 | ISO Latin-1 (ISO 8859-1) 文字集合を利用する タイプライタに似た特性を持つデバイス。 |
koi8-r | ロシア語 KOI8-R 文字集合を利用するタイプライタに似た特性を持つデバイス。 |
utf8 | UTF-8 エンコーディングの Unicode (ISO 10646) 文字集合を利用する タイプライタに似た特性を持つデバイス。 |
cp1047 | EBCDIC コードページ IBM cp1047 を利用する タイプライタに似た特性を持つデバイス (例えば OS/390 Unix)。 |
lj4 | HP LaserJet4 互換 (または他の PCL5 互換) プリンタ。 lbp Canon CAPSL プリンタ用 (LBP-4 と LBP-8 シリーズのレーザプリンタ)。 |
html | HTML 出力を行います。 |
デフォルトのデバイスは ps です。 pic, eqn, grn, grap, tbl, refer, soelim の任意の前処理を行わせることもできます。
引数を伴わないオプションは - のあとにまとめて続けることができます。 ファイル名のかわりに用いられる - は標準入力を意味します。
grog コマンドを用いてドキュメントを正しくフォーマットするための groff コマンドを調べることができます。
オプション
-h | ヘルプメッセージを表示します。 |
-e | eqn を使って前処理を行います。 |
-t | tbl を使って前処理を行います。 |
-g | grn を使用して前処理を行います。 |
-G | grap を使用して前処理を行います。 |
-p | pic を使って前処理を行います。 |
-s | soelim を使って前処理を行います。 |
-Idir | このオプションは soelim(1) に記述されています。 このオプションは -s オプションを暗黙的に指定します。 |
-R | refer を使って前処理を行います。 refer に引数を渡す機構は用意されていません。 refer のほとんどのオプションは、ファイル中に記述することができる等価なコマンドを 備えているからです。詳しくは refer(1) のマニュアルを参照してください。 |
-v | groff から起動されるプログラムのバージョン番号を表示します。 |
-V | 実行しないで、 groff で実行される処理内容を標準出力に表示します。 |
-z | troff からの出力を捨てます。エラーメッセージのみが表示されます。 |
-Z | troff からの出力を後処理しません。通常 groff は、自動的に適当な後処理プログラムを起動します。 |
-Parg | 後処理プログラムに arg を引数として渡します。別々の引数は別々の -P オプションで指定する必要があります。 groff は、 arg の前に - をつけてコマンドに渡したりしないことに注意してください。 |
-l | プリンタのスプーラへ出力します。印字出力に用いられるコマンドは、デバイス 記述ファイルの print コマンドによって指定されます (これが存在しない場合には、 -l は無効果です)。 |
-Larg | arg をプリンタスプーラプログラムに渡します。別々の引数は、別々の -L オプションで指定する必要があります。 groff は、 arg の前に - をつけてコマンドに渡したりしないことに注意してください。 デバイス記述ファイルに print コマンドが無い場合には、 -L は無視されます。 |
-Tdev | デバイス dev 用に出力します。デフォルトのデバイスは ps です。 |
-X | 通常の後処理プログラムのかわりに、 gxditview を起動してプレビューします。 groff は gxditview に -printCommand オプションを渡します。このオプションは groff に -l オプション指定時に実行される Print アクションを実行させます。 -Tps 以外が指定されている場合は、よい結果が得られません。 |
-N | eqn の区切り文字間に改行が入ることを禁止します。 eqn の -N オプションと同様です。 |
-S | より安全なモード。 -S オプションを pic に渡し、次の troff リクエストを無効化します: .open, .opena, .pso, .sy, .pi 。 セキュリティ上の理由から安全なモードはデフォルトで有効です。 |
-U | 安全でないモード。古い安全でない動作に戻します。 |
-a | |
-b | |
-i | |
-C | |
-E | |
-wname | |
-Wname | |
-mname | |
-olist | |
-dcs | |
-rcn | |
-Fdir | |
-Mdir | |
-ffam | |
-nnum | これらのオプションの詳細は、 troff(1) に記述してあります。 |
環境変数
GROFF_COMMAND_PREFIX | もしこの変数が X に設定されていると、 groff は troff のかわりに Xtroff を起動します。これは、 tbl, pic, eqn, grn, refer, soelim にも同様に影響します。 grap, gropos, grodvi, grotty, grolj4, grohtml, gxditview には影響しません。 |
GROFF_TMAC_PATH | デフォルトディレクトリに加えて、 マクロファイルを検索すべきディレクトリのリスト (リストの区切りはコロンです)。 更なる詳細は troff(1) を参照してください。 |
GROFF_TYPESETTER | デフォルトのデバイス |
GROFF_FONT_PATH | デフォルトディレクトリに加えて、 devname という名前のディレクトリを検索すべき ディレクトリのリスト (リストの区切りはコロンです)。 更なる詳細は troff(1) を参照してください。 |
GROFF_BIN_PATH | この検索パスは、 groff が起動するコマンドのために、 PATH の前に使用されます。 設定しないと、 PATH の前に /usr/bin が追加されます。 |
GROFF_TMPDIR | 一時的なファイルが作成されるディレクトリ。もし、 GROFF_TMPDIR が設定さ れておらず、 TMPDIR が設定されているなら、 TMPDIR で示されるディレクトリ に一時ファイルが生成されます。さもなければ、一時ファイルは /tmp に作られます。 grops(1) と refer(1) が一時ファイルを作成する可能性があります。 |
関連ファイル
/usr/share/groff_font/devname/DESC | |
デバイス name のデバイス記述ファイル | |
/usr/share/groff_font/devname/F | デバイス name のためのフォント F を記述したフォントファイル |
使用例
マニュアルページ foo.1 を標準出力に対し、latin-1 出力デバイスを使用して印刷し、 less をページャに使用するには、次のコマンドを使用します:
groff -mandoc -Tlatin1 foo.1 | less | |
また、次のようにも使用できます: | |
groff -m mandoc -Tlatin1 foo.1 | less | |
作者
James Clark <jjc@jclark.com>
バグ
バグレポートは、bug-groff@gnu.org までお願いします。 レポートの際にはバグを再現できる完全な例題を添付し、あなたの利 用している groff のバージョンを添えて下さい。
COPYRIGHT
Copyright © 1989-2000 Free Software Foundation, Inc.
groff はフリーソフトウェアです。Free Software Foundation から 出版されている the GNU General Public License の ver 2.0 かそ れ以降に基づく限り再配布したり、変更することが可能です。
groff は使い易いツールとして配布されることを望まれていますが、 どのような保証もありません。それが商業的であってもある特定の目 的に対するだけであっても保証はありません。詳しくは GNU の General Public License を参照して下さい。
あなた は groff のコピーを GNU General Public License と共に受 けとっているはずです。その COPYING を参照して下さい。そうでな い場合には、 Foundation, 59 Temple Place - Suite 330, Boston, MA 02111-1307, USA まで御連絡下さい。
入手性
最新の groff はたいてい ftp.gnu.org の gnu/groff ディレクトリに置かれており、 anonymous ftp で入手できます。
groff のみが、Ted Faber <faber@lunabase.org> が記述した自由に入手可能な grap 実装をサポートします。 実物は、次のところにあります:
http://www.lunabase.org/~faber/Vault/software/grap/ | |
関連項目
grog(1), troff(1), tbl(1), pic(1), eqn(1), grn(1), grap(1), soelim(1), refer(1), grops(1), grodvi(1), grotty(1), grolj4(1), grolbp(1), grohtml(1), gxditview(1), groff_font(5), groff_out(5), groff_man(7), groff_ms(7), groff_me(7), groff_char(7)