名前


tkill, tgkill - 個々のプロセスにシグナルを送る

書式


int tkill(int tid, int sig);

int tgkill(int tgid, int tid, int sig);

説明


tkill() システムコールは、指定されたプロセスがスレッド・グループに 属している場合以外は kill(2) と同じ動作をする (スレッド・グループは、clone の呼び出し時に CLONE_THREAD フラグを指定することで作成される)。 一つのスレッド・グループに属するプロセスはすべて同じ PID を持つので、 kill(2) では各々のプロセスに個別にシグナルを送ることができない。 これに対して、 tkill() を使うと、プロセスに固有の TID (スレッドID) で 各プロセスを指定することができる。

tgkill() コールは tkill() を改良し、 TID の再利用にも対応できるように、シグナルの送り先を スレッドのスレッド・グループID (tgid) で指定できるようにした ものである。 tgid として -1 が指定された場合は、 tgkill() は tkill() と同じ動作になり、 tgkill() のメリットはなくなる。

これらはシステムコールへの直接のインターフェースであり、 スレッド・ライブラリ内部での使用を意図したものである。

返り値


成功した場合、0 が返される。エラーが発生した場合、-1 が返され、 errno が適切に設定される。

エラー


EINVAL 不正な TID またはシグナルが指定された。
EPERM 許可がなかった。どのような許可が必要かについては、 kill(2) を参照のこと。
ESRCH 指定されたスレッドID (とスレッド・グループID) を持つプロセスが存在しない。

バージョン


tkill() は Linux 2.4.19 / 2.5.4 以降でサポートされ、 tgkill() は Linux 2.5.75 で追加された。

準拠


tkill() と tgkill() は Linux 固有であり、 移植を想定したプログラムでは使用すべきではない。

注意


glibc はこれらのシステムコールに対するラッパー関数を提供していない。 syscall(2) を使って呼び出すこと。

関連項目


gettid(2), kill(2)

openSUSE Logo

コンテンツ